中古ドメインには、過去の運用や被リンクの評価が「良くも悪くも」残っています。
うまく活用すれば収益化の期間を大幅に短縮することができますが、選定を間違えるとせっかくの時間と労力が水の泡になってしまうこともあります。
中古ドメイン購入の成功率と安全性を高めるためには、ツールやスコア・基準値などを参考に、以下の3つを見極めることが大切です。
- 質の高い被リンクを持っているドメインか
- ペナルティやスパムのリスクがあるドメインか
- 価格に見合った内容のドメインか
そして以下の10のポイントをしっかりチェックすれば、上記の3つを満たすか、あるいは期待値から大きく外れることはないでしょう。
【数値面チェック】
【ahrefs】DR・URの数値は15を超えているか
ahrefsの数値とMOZのDA・PAに乖離はないか
MOZのスパムスコアが80%を超えていないか
参照ドメイン・被リンクのDofollowは70%を超えているか
【被リンクチェック】
edu、gov属性の被リンクがついているか
edu、gov以外で権威性の高いドメインはあるか
被リンクはTOPページに8割以上集まっているか
【過去の運用歴チェック】
way back machineで過去の運用歴におかしい点はないか
サイトパワーが外部サイトにリダイレクトされていないか
サイト安全性チェッカーの判定はオールクリアか
というわけで、見るべきポイントをしっかり抑えて、高品質低リスクの中古ドメインを掴み取ってくださいね。
【重要度順】中古ドメイン選定10のチェックリスト
冒頭でご紹介した中古ドメイン選定のチェックリスト項目は、重要度順に並べ替えると以下のようになります。
- edu、gov属性の被リンクがついているか
- edu、gov以外で権威性の高いドメインはあるか
- 被リンクはTOPページに8割以上集まっているか
- way back machineで過去の運用歴におかしい点はないか
- サイトパワーが外部サイトにリダイレクトされていないか
- 参照ドメイン・被リンクのDofollowは70%を超えているか
- 【ahrefs】DR・URの数値は15を超えているか
- ahrefsの数値と、MOZのDA・PAに乖離はないか
- MOZのスパムスコアが80%を超えていないか
- サイト安全性チェッカーの判定はオールクリアか
これを裏返して『やってはいけないこと』をまとめると以下のようになります。
- edu、gov属性の被リンクがついていない
- edu、gov以外で権威性の高いドメインがない
- 被リンクがTOPページではなく下層ページに多く当てられている
- way back machineで過去の運用歴にアフィリサイトの履歴がある
- サイトパワーが外部サイトにリダイレクトされている
- 参照ドメイン・被リンクのDofollowは70%を下回っている
- 【ahrefs】DR・URの数値が15以下(※例外あり)
- ahrefsの数値と、MOZのDA・PAが乖離している
- MOZのスパムスコアが80%を超えている
- サイト安全性チェッカーの判定でスパム判定が出た
上記をやらなければハズレを引く可能性を大きく引き下げることが可能となるはずです。(ただし絶対はない)
中古ドメイン選定はひたすら地味な作業の繰り返し
中古ドメインの選定はとても地味な作業です。
しかし段取り八分という言葉がある通り、中古ドメイン購入の成功率を引き上げるためには、購入前の選定で明暗がはっきり別れます。
だからこそ、
地道に被リンクと過去の運営歴を調査する 購入を決断するに足る根拠を持つ 違和感を感じるドメインには手を出さない
といった事前の地道な「見極め」がとても大切となるわけですね。
見た目の印象や、業者の売り込み情報だけに頼った途端、中古ドメイン購入はギャンブルになり、ハズレを引くリスクが高くなります。
上記項目の「なぜ?」を知りたい方は、この先へ進んでください。
edu、gov属性の被リンクがついているか
どんな被リンクが大きな影響力を持っているのか?について。
SEO分析ツール「ahrefs」によると、.gov(政府機関のドメイン)と.edu(教育機関のドメイン)の被リンクは別枠で検出されます。つまりとりわけ重要な被リンクと考えて良いと思います。(ただし海外ドメインは未知数)
ということは、それらからの被リンクは、その他大勢の被リンクと比較してもとりわけ強い影響力を持っていると言えます。あれば必ず上位表示できる保証はないとは言え、govやeduが0の被リンクよりは、1つでもあったほうが高い性能が期待できるはず。

この点についてGoogleが公式に宣言しているわけではなく、あくまでもahrefs社の基準によるもの。
過度な期待は禁物ですが、ドメインの良し悪しを判断する一つの重要な指針となるでしょう。
Wikipediaは被リンク効果が微妙です
なお注意点として、Wikipediaは「強力な被リンク」に含まれません。
「キミのサイト、wikiから被リンクもらってるの?!」は人間相手であれば何らかの信頼性を感じてもらえるかもしれませんが、検索エンジンには伝わらないということです。
残念ながら、SEOの観点だとWikiの被リンクに効果は期待できないと思います。
edu、gov以外で権威性の高いドメインはあるか
とはいえ、世に流れている中古ドメインが全てeduやgovといった高品質な被リンクがついているとは限りません。
また、そういった「明らかに質の高いドメイン」は価格が競り上がりやすい傾向です。
そのため、
をしっかりチェックして把握しておくことが重要です。

上記に加えて、自分が運営していく予定のジャンルになるべく近い属性の被リンクがあると尚良いです。「この中古ドメインなら効果が期待できそう」の根拠が明確になるからです。
さらに言えば、VODや電子書籍、クレジットカードなど、
一つのジャンルに特化したサイトで運営していくのであれば「運営歴と運営予定ジャンル」はビッタリ合わせていく
が望ましいですが、ことトレンドジャンルに関しては、以下の中古ドメインでも月収10万円程度は軽く超えていくことを確認済みです。
- 地方のホテルのHPドメイン
- 銀座のレストランのHPドメイン
- 地方の農場系NGOのHPドメイン
- アート展の公式サイトドメイン
これらに付いている被リンクは、かならずしもエンタメやトレンドに親和性はありません。しかしそれでもインデックスやランキングに優位に作用するのが現状のGoogleのアルゴリズムのようです。(いずれ変更修正もあるかもです)
というわけで、
トレンドジャンルで収益化していく上での中古ドメイン選びは、
という優先順位で被リンクの質を見極めていけば間違いないかと思います。ただし、優先順位順に価格も高いので、予算との兼ね合いを考えながら選んでいきましょう。
被リンクはTOPページに8割以上集まっているか
被リンクがTOPページに集約されているか?の観点は中古ドメイン選定を行う上で非常に重要なポイントです。

中古ドメイン販売屋さんではこれをLJR(Link Juice Rate=リンクジュースの割合)として確認することができます。
Link Juice Rateとは?
Juiceには飲み物だけでなく「影響力」という意味もあります。 あるサイトから外部ページへリンクを張った時、リンク先に与える影響のことを「リンクジュース」と呼びます。 例えばyahooから当サイトへ外部リンクが貼られた場合、「yahooからのリンクジュースは大きな影響があるな」という使い方をします。(コップの中身を移す作業に似ていることから名付けられたとの説あり。)
いかに強力な被リンクがついていようと、その被リンクがTOPページではなく「個別のページ」についている場合はドメインの本来の性能は引き出すことができません。
具体的には以下の画像のような状態です。

上記の画像のように、被リンクが下層ページに多くついている場合は、「その個別のページに価値がある」とみなされます。
これはサブディレクトリについている場合も同様で、被リンクが集まっているページが存在しない状態(404エラー)だと被リンクの評価は失われます。
その場合の対策として、下層ページを復元し、被リンクの評価を取り戻す方法があります。
しかし、1つや2つであればやっても良いかもしれませんが、あまりにも多いとそれだけ手間が増えるわけで、記事作成にかける時間をそれだけ奪われてしまいますよね。
だったら、そういうドメインは始めから買わないほうが良いのです。
最初からTOPに被リンクが集中しているドメインであればその手間は省けますので、最初の選定時にしっかりとチェックしておくことが大切なのです。
way back machineで過去の運用歴におかしい点はないか

中古ドメインを購入する際は、なるべく「1オーナー」のドメインを選びましょう。
そのドメインが過去にどんな運用をされていたのかは、無料ツールのway back machineで確認することができます。
way back machineで確認して次のようなドメインは除外しましょう。
- アフィリエイトサイトとして使われていた
ペナルティを食らってサイトが飛んだ可能性がある - オンラインカジノ、仮想通貨の運用歴
ブラックな手法で被リンクを偽装している可能性がある - 10年近く誰の手にも渡らず放置されていた
既に被リンクの影響力が失われている可能性がある - 過去の運用歴が見られない
安全性を確認できない→リスク - カレンダーに緑の丸(リダイレクト)が多い、
運用歴を見ていたら別のURLに転送された
→ドメインのパワーが外部サイトに転送されている可能性がある
過去に何をしていたのかわからない…という人は現実世界でも信頼されにくい。それと似ていますね。
というわけで、中古ドメインを買う際はどんなに被リンクの数値やeduの数が多く・強くても、「なぜそんなドメインが更新を放棄され市場に流れたのか」を考えると買わない理由は明らかですよね。
過去の運用歴はしっかりと確認し安全性を担保しましょう。
サイトパワーが外部サイトにリダイレクトされていないか
前項でも触れましたが、way back machineで過去の運用歴をチェックする際、「緑色の◯」がカレンダーに記載されている場合があります。

これは「当該ドメインから何かしらのリダイレクト(301=恒久的、302=一時的)を行ったことを示すシグナルです。
302リダイレクトであれば特に問題はないかと思いますが、301リダイレクトがやたらと行われている場合、コンテンツのURLを外部サイトに転送させている可能性があります。
ドメインの評価が転送されてたら、見かけ通りの性能を発揮しない可能性が高いです。つまりリダイレクト=リスクと考えるべきですね。
全てが当てはまるわけではありませんが、「なぜそんなにリダイレクトを行ったのか?」の説明がつかない以上、その中古ドメインの安全性を確保することができません。
加えて、MOZのリンクチェッカーで以下のような表示が出た場合は特に要注意です。こういうドメインはどれだけスコアや被リンク内容が優れていても選択肢から外しましょう。

参照ドメイン・被リンクのDofollowは70%を超えているか

ahrefsのサイトエクスプローラーのTOPページ右側の、
- 参照ドメイン “dofollow”属性(有効リンク)
- 被リンク“dofollow”属性(有効リンク)
は、どちらも70%を超えているドメインをなるべく優先で選びましょう。
いくら被リンクや参照ドメインの数が多い・eduやgovがあっても、それらのリンクが“有効”でなければ役に立ちません。
【ahrefs】DR・URの数値は一定値を超えているか

上位サイトは30超えも目立ちますが、決して数値が高くないサイトでも100万〜200万PVといった大きなアクセスを集めることは十分に可能です。
以下、用語解説です。
ahrefs独自のドメインの評価値で、サイト全体(URL)のドメインの品質・量の評価点。ページ単位の被リンクが評価されたものを数値化しています。
15〜30以上が良好、10〜でも可。 数値が高いほうが強いドメインとされていますが、被リンク偽装で「操作できてしまう数値」のため過信は禁物です。
ahrefs独自のドメインの評価値で、主にそのドメイン(◯◯◯.com)の被リンクの品質と量の評価点。15〜30以上が良好。URよりもDRが高いことが望ましい。
URと同じくブラックハットSEOで人為的に操作でき、異常に数値が高い場合はスパムの可能性もある。
見かけの数字に騙されないように。とされていますが、「操作できてしまう数値」のため過信は禁物です。
ahrefsの数値と、MOZのDA・PAの数値に乖離はないか
ahrefsと同じように、MOZにもDA(Domains authority)、PA(Page Authority)という似たような指標があります。Inbound Linksから確認できます。

ahrefsとMOZで極端にスコアの評価が異なる場合は「水増しされた被リンクを含んでいる可能性」があります。そういうドメインを見つけた場合は購入対象から外しましょう。
元々Googleは「ページのランク」については撤廃しているのですが、これらの「数値化されたドメインの評価」は、ahrefsやMOZといったツール独自の基準によって算出された「仮説に基づく強さ」です。
よって、各ツールによって被リンクへの評価基準が異なるわけですが、本当に質の高い被リンクであれば、どの会社も高評価をするはずですよね。(例えばDR100のYou Tube.com。ahrefsは100なのにMOZが14…なんてことはありえません)
正当な被リンクがついたWEBサイトであればほぼ同等で評価されるのが自然ですね。
ツールによってDRやDAなどのスコアが極端に割れる場合は注意が必要です。
MOZのスパムスコアが80%を超えていないか

MOZのスパムスコアチェックで80%を超えるドメインは低品質ドメインの可能性があります。
高ければ高いほどスパムの被リンクが多い「リスクの高いドメイン」であることを示していますが、残念なことにスパムスコアが低くてもペナルティを食らっているケースはあります。
ただし、スパムスコアが高すぎるドメインは購入しない、という基準値を設けることができます。ドメイン精査の基準の一つにしておくと良いでしょう。
aguse、SecURLなどのサイト安全性チェックをクリアしているか
正直ここはあまり重要ではないです。やらなくても問題はないかもしれませんが、念の為ご紹介します。
購入しようとしているドメインが、
- ハッキングされている
- フィッシング詐欺に使用された
- マルウェアやウィルスに感染している
- 迷惑サイトに登録されている
などなど、検索エンジンや世界の安全管理団体からブラックリスト認定されていないかは念の為チェックしておいたほうがよいでしょう。
なお、過去にアダルトサイトを運営していたり、非リンクスパムでドメインパワーを偽装していても、これらのツールで見破ることはできません。
あくまで、上記の4項目に該当するかどうかをジャッジするツールなので、過度な期待は禁物です。
ここで引っかかるドメインはそうそうないので別にやらなくても良いのですが、ラッコドメインが販売するドメインはこのチェックをクリアしているのに対し、オークションに流れている中古ドメインは未調査です。
少しでも購入リスクを減らしたいのであれば、念の為やっておくことをオススメします。
外部サイトへ飛びます
secURLのリンク
aguseへのリンク
中古ドメイン選定の敵は『思い込み』である
ドメインを精査する際はまず、「思い込み」持たずにフラットな目線を持つことが大切です。
.jpや.com.netオークションは、一度に数百のドメインリストが並びますし、株式会社ラッコが運営する中古ドメイン販売屋さんにも常時1,000を超える数のドメインが存在しています。
それらの中から「アタリ」を見つけるわけですが、
- これは映画公式だから
- 雑誌メディアだから
- DAが高いから
- 被リンクがめっちゃ多いから
- 入札件数が多いから
のような安易な見方では、アタリどころかハズレを引く可能性大です。(経験済みです笑)
例えば「ksk-jg.jp」のようなよくわからないドメインでも、実は厚労省配下の事業サイトドメインだったり、地方のニュースメディアのドメインだった…なんてことは割とよくあることです。

逆に「つよっ!!」と感じるドメインでも、被リンクスパム行為をやってたり、手動ペナルティ付きだったりパワーをリダイレクトして「中身空っぽ」なものも結構あるんです。
ドメイン選定の歴が浅かったり、特に知識がない状態で中古ドメインを買う場合、「わかりやすさ」を優先して映画公式サイトとかメジャーなドメインに走ってしまい、
- 元アフィリサイトだった
- ペナルティ食らってた
- ドメインパワーが転送されていた
- 予算オーバー
などのバッドエンドを迎えるケースは後を絶ちませんので、二の轍を踏まないようご注意あれ。
こんなドメインはイヤだ!を動画にまとめてみました
実際にドメインを選定する流れを動画にまとめてみました。
紹介する「買ってはいけない中古ドメイン」は以下の3パターン。
1.別のドメインにリダイレクトされている
2.TOPページではなく下層ページに被リンクが集まっている
3.パッと見良さそうだけどスパム行為をやっている
貴重な時間とお金を『勉強代』に注ぎ込まないようご注意くださいね。