
新しくブログを立ち上げる時、一般的には新規ドメインを選ぶケースが多いですが、実はもう一つ、「中古ドメインを選ぶ」という方法があります。
そもそもドメインとは?を解説すると長くなるので割愛しますが、一言で言えば「https://www.google.com/」の青文字のところのこと。いわゆるインターネット上におけるブログの住所です。
ただ、ドメインには「住所」としての役割だけではなく、「ドメインパワー」と呼ばれるサイトの評価も紐付いていて、ここが中古ドメインの唯一にして最大の特徴とも言えるわけです。
そこでこのページではまず前提の知識として、
- 新規ドメインとは?
- 中古ドメインとは?
- 中古ドメインのメリットとデメリットについて
を解説していきます。
新規ドメインとは?
新規ドメインとは、自分の好きな文字列と.comや.netなどを組み合わせて新たにドメインを取得することです。
初めてブログを立ち上げる、初めてレンタルサーバーに契約する、という方の多くは、この新規ドメインから始める場合が多いですね。
例えば、カフェ探訪ブログを立ち上げたいなら「cafetravel.com」、映画レビューブログだったら「cinema-essay.net」など、世界観と一体化したドメイン名を名付けるというふうに。
目的にマッチしたドメインだと、検索結果に表示された時に「変なサイトに飛ばされないだろうな…」というユーザーの心理に安心感を与えることが出来ます。(ちなみに名称自体にSEO効果は無いと言われています)
新規ドメインの魅力は、発信したいサイトの世界観や目的に合わせて選べる自由度の高さにあると言えますね。
新規ドメインのメリットとデメリット
以下では、新規ドメインのメリットとデメリットについてお伝えします。
新規ドメインのメリット
新規ドメインのメリットは、
- 目的に応じた名前を自由につけられる
- 取得が比較的簡単
- 取得コストが安い
- ペナルティのリスクがゼロ
です。
それぞれ詳細を解説します。
1.目的に応じた名前がつけられる
上述の通り、自分の好きな文字列(他人と被らなければ)でドメイン名を取得することが出来ます。
2.取得が比較的簡単
新規ドメイン取得の流れは、レンタルサーバー各社のサイトでかなり丁寧に解説されており、わかりやすいですよね。
もちろん耳慣れない専門用語もたくさんありますが、中古ドメイン取得に比べれば圧倒的に簡単に取得することが出来ます。
3.取得コストが安い
新規でレンタルサーバーを取得する場合は、「1円〜」と格安で取得できることもあります。
一方で中古ドメインはモノによっては数万円〜数十万円することもあり、運用コストの差は明らかです。
4.ペナルティのリスクがゼロ
新規ドメインは文字通りまっさらの生まれたばかりのドメインなので、プラスに作用する要素はありません。
が、検索エンジンからのペナルティやネガティブな評価も一切なく、リスクがありません。
反対に、中古ドメインにはペナルティのリスクがあります。
新規ドメインのデメリット
一方でデメリットとしては、
■コンテンツが検索エンジンにインデックスされるまでに時間がかかる
という点です。
立ち上げたばかりのブログは、記事を投稿しても即検索結果に反映されることは稀で、大抵1日〜1週間ほどかかるケースが多いです。これは全ての新規ドメインで共通で例外はありません。
もちろん記事の更新頻度やブログへのアクセスの量にもよりますが、おおよそ3ヶ月くらい経過するか、記事が100記事くらいストックされた辺りで徐々にインデックスが早まる印象です。
中古ドメインとは?
中古ドメインとは、既に第三者によって取得・使用されていたドメインのことです。
冒頭でもお伝えした通り、ドメインには住所としての役割だけでなく、ドメインパワーと呼ばれる『検索エンジンからの評価』も引き継いでいます。
具体的には、
- サイトの運営歴(どれだけの期間運営してきたか)
- サイトへの被リンク(外部サイトからの参照リンクの数と質)
- 外部サイトのブックマーク経由のアクセス
というものです。
ただし、数年前は「中古ドメインさえ使っておけば上位表示はほぼ確定」という状況もあったようですが、最近は必ずしもそうと言い切れない、というのが現状です。(とは言え、やはり新規ドメインよりは優位性があるのも事実です。)
なぜ中古ドメインが売りに出されるのか
基本的にドメインは費用を払って毎年更新されるものですが、それが滞るとそのドメインは「失効・更新期限切れ」となり、所有権が手放されます。手放されたドメインは第三者が取得することができます。
失効して誰も手を付けていない場合だと数百円〜数千円という価格で購入することが可能ですが、優良とみなされるものは中古ドメイン販売業者が仕入れ(バックオーダーと言います)、オークションあるいは定額で販売されることになります。

中古ドメインの経歴には本当に様々なものがあります。以下はほんの一例です。
- 映画のプロモーションに使用された公式サイト
- 行政のイベントで使用されたサイト
- リブランディングのため使われなくなったホテルのサイト
- 倒産した企業のサイト
- 個人運営されていたが使われなくなったサイト
などなど。
失効ドメインは毎日200万個程度あり、これらは日常的に売買されています。
ちなみに2019年にサークルKサンクスのドメインがオークションに掛けられた時、落札価格はなんと6,000千万円。
とまあ、これは極端な例ですが、中古ドメインには新規ドメインにはない「信頼性・権威性」があるのが最大の特徴です。
また、これは笑い話ですが、政治家の森喜朗元総理の公式ページが手違いで期限切れ・執行となり、海外の人の手に渡り謎の英文ページに変わってしまったこともあります。
想定外のトラブルを起こさないためにも、ドメインの契約更新は念の為自動更新にしておきましょう。
中古ドメインのメリットとデメリット
以下では、中古ドメインのメリットとデメリットについて解説します。
中古ドメインのメリット
中古ドメインのメリットはただ一つ。
■インデックスまでの時間をショートカットできる
ここに尽きます。
新規ドメインがコツコツと記事を積み上げてアクセスを集め、被リンクを増やしてドメインパワーを高めていくのに対し、中古ドメインは既にある程度の検索エンジンからの評価を持っているので(ドメインパワー)、育成に要する時間を短縮することが出来ます。
要は時間をお金で買うわけですが、必ずしも質の良いドメインばかりが取引されるわけではないので、良質なドメインを取得するにはある程度の知識と経験とコストがかかります。
中古ドメインのデメリット
一見するとメリットが素晴らしく見える中古ドメインですが、その分デメリット、というかリスクも少なくありません。
具体的には、
- 取得にコストがかかる
- ハズレのドメインもある
- 導入のハードルが高い
というものです。
1.取得にコストがかかる
ブログは初期費用が安いのが強みでもありますが、通常新規ドメインだと年間で1,000円位で取得できるのに対し、中古ドメインだとそれ以上のコストが掛かります。
ドメインは業者を通さず自分で調べて買うのが最も安く取得する方法ですが、不良ドメインを掴んでしまうリスクはかなり高くなります。なので、慣れないうちは中古ドメイン販売業者から購入するのが比較的安心です。
ただし、業者は優良ドメイン一度在庫として抱え、かつ高額なドメイン解析ツールと人件費を掛けているため、その分の労力が価格に上乗せされるのでそれなりの値段になっているわけです。
また、中古ドメインは安いものでは1000円くらいから販売されていますが、格安の中古ドメインは質の悪いものが多く、効果を実感できないものも少なくないです。安かろう悪かろう、は避けるべきです。
これはドメイン購入の章でもお話しますが、色々リサーチを重ねた結果、SEOである程度の効果が期待できるのは5,000円〜20,000円程度の価格帯だと思います。それ以上の価格はペイできるまでの時間が伸びるので、中古ドメイン初心者は手を出さないのが無難です。
2.中古ドメインにはハズレもある
ここが一番重要なのですが、中古ドメインの価格が高いからといって必ずしも優れているわけではありません。
10万円以上する中古ドメインでも「全然効果を得られなかった」という話も時折耳にします。(最悪ですね)
ドメインパワーというものの正体は、『被リンクの質と数』です。
外部のサイトからどれだけ参考にされているか?がとても重要で、例えばWikipediaや教育系のサイト、行政サービスから「ここは参考になる」と多数の参照リンクを送られているドメインは、検索エンジンから権威性を高く評価されます。
しかし、その習性を不正に利用し、中にはブラックな手法でドメインパワーを偽装していたり、それが原因で検索エンジンから手動ペナルティ(コンテンツがインデックスされない・評価されない)を受けているドメインもあります。
中古ドメインは玉石混交ですので、購入前のチェックがとても重要です。
3.導入のハードルが高い
中古ドメインを業者から買うにしても、ここに書かれている指標・用語が理解できないと、何が良くて何が悪いのか?の判断ができません。
ここは中古車を自分で買うか?中古車屋から買うか?に似ています。
リスクをある程度理解・回避するためには、専門用語の理解が必須です。
つまり、中古ドメインの良し悪しを図るには、そのドメインの経歴、被リンクの質を見極め、自分の目的に合ったドメインを選んで購入することが必要不可欠ですが、その知識や経験を積むにはある程度の学習期間が必要なのと、
- 多少のリスクを背負ってでもショートカットしたい
- そのための費用捻出は必要経費
という心構えがある人はチャレンジしてみるのも良いでしょう。
とはいえ、あまりここに時間を掛けすぎても「ブログの記事が増えない=収益が増えない」というジレンマもあります。
よって、中古ドメイン運用は完全初心者の方よりは、ある程度ブログ運営に慣れてきた中級者向けの手法とも言えるかもしれません。