前回のコラムで「誰を顧客にしないか」という話をしましたが、今日はその延長で「顧客の最低ライン」の話をします。
PROコースには色んな活動をされてる方がいますが、ほとんどの方が「その道の初心者」をターゲットにビジネスをされていますね。
今回は「ブログのコンサル」を例に話しますが、どの領域にも通じることなので、ぜひインプットされてください。
結論から言うと、自分の顧客の最低ラインをちゃんと決めておこうという話です。
僕が初めてブログコンサルを始めた頃、文字通り完全初心者の人ばかりがコンサルを買ってくれたのですが、その中には「パソコンがまともに使えない人」や「義務教育レベルの国語力がない人」もそれなりにいらっしゃいました。
ただ「ブログで稼ごう!」という活動をしていくわけですから、パソコンが人並みに使えなかったり、ちゃんとした日本語で文章が書けなかったりすると、ビジネスの土俵にすら立つことができません。
そうなると、僕は必然的に、ブログコンサルタントではなく「パソコンの先生」とか「日本語の先生」のようになってしまい、それだけでコンサル期間が終わってしまったり、あるいはクライアントさんが挫折してしまいます。
冗談ではなく事実として、wi-fiの繋ぎ方とか日本語の文法とか(動詞の前には形容詞じゃなくて副詞がくるとか)、Gmailの開き方とか、そういうことを真剣に教えながら「なんでこうなってしまうんだろう」と悩んでいた時期があったんですね。
あとなぜか「ノジーさん」じゃなくて「ジーノさん」と3ヶ月以上も僕のことを呼び続けた方もいらっしゃいました。(いまだに謎です)
では、なぜそうなってしまったかというと話は簡単で「パソコンができない人でも大歓迎です」という空気をメルマガやらセールスレターやらで出しすぎていたからです。
そういったコピーを全コンテンツからなくし、「パソコンができなくても大丈夫」という空気を消したら、売上はほぼ変わらずに集まってくれるお客さんの層も激変しました。
思うに、初心者向けのビジネスをされている方のほとんどが「考えられうる最底辺」のところからターゲットとして捉えているような印象を受けます。
ただ、僕の場合は途中から「パソコンができなくても大丈夫」ではなく「パソコンで大学の論文や会社の資料、取引先へのメールを普通に作れる程度のレベルで大丈夫」と変えるようにして、最低限のラインを上方修正しました。
僕自身がそのビジネスのターゲットだとしたら「パソコンが使えないおばあちゃんでも大丈夫!」と言われたら、多分その商品は購入していないんですよね。
自分とはあまりにもかけ離れた層を考慮したコピーに触れると、人は「自分とは関係なさそうなものだ」とか「もっと自分に合った商品を探そう」と思うわけですから。
それよりも「日常的にmixiやTwitterを使ったことがあれば〜」とか「パソコンで大学のレポートを書いたことがあれば〜」の方がドンズバで「お、俺のことやん!」と思えて、成約に限りなく近づくわけです。
また余談ですが、以前とあるクライアントさんが「コンサルは売れるけど、ITリテラシーの低い年配層ばかりで困る」と悩んでたことがあって、本人もその原因に気づいてなかったことがありました。
ただ、その原因はシンプルで「Gmail 使い方」のようなキーワードで検索上位が取れていて(当時)、そこからリストが取れていたから、というものでした。
普通のITリテラシーを持った若い人〜働き盛りの人はまず「Gmail 使い方」なんてキーワードで検索をしませんからね。
みんなターゲットを考えるときに「初心者か経験者か」といった低い解像度でしか考えないことが多いです。
ただ初心者にも色々な人がいます。
何も初心者をターゲットにするということは、最低ラインの人からがターゲットになるというわけでもありません。
自分の仕事は何をする人なのか。その以前の段階の人を拾おうとしすぎていないか。
そういう点もぜひ考慮してみてください。
あまりにも視座を下げたコピーを書いてしまい、自分が本当に集めたい属性の人が、引いてしまったり去ってしまっているということも案外あるかもしれませんよ。