個人でDRMをやる場合の最大の利点が「顧客を選べること」であることは間違いないですし、みんなも何となく頭の中にイメージとして入っていると思います。

ただ、まだ購入者になっていない段階で、自分の顧客層ではない人への対応等で疲弊をしてしまって、本来自分が注ぐべきエネルギーを注げていない人もたくさんいるんじゃないかなーと思います。

「こんなメルマガ返信が来て、こういう風に返したんですけど、成約に至らず…。自分の返信のどこがマズかったんですかね?」

という相談もよくいただきますが、そもそも自分がオファーする商品のターゲットになり得ない人からレスポンスがきても、その人の心を動かして、変えて、成約までの導線を引くことはそもそも難しかったりするんですよね。

その場合に僕らができることは、

・集客の属性を見直す
・ステップメールや動画での教育を強化する(明確にする)
・ターゲット外の人たちに販売するフロントエンドを作る

この辺りが一番効果的で、顧客になり得ない人と1on1で対応して、彼らのマインドを変えようとすることは結構むずかしいんですよね。(やらない価値がないわけではないですが)
例えば「起業して人生を変えよう!」という趣旨の発信をして、それなりに高価格の商品を販売している場合、「月に2、3万円でもお小遣いが欲しいと思って…」という主婦の人から返信が来ても、やっぱり非常にむずかしいと僕は考えます。

もちろん「そんなこと言ってないで、もっと大きく稼いで人生を変えましょうよ」とリードナーチャリングをして成約に結びつけることもコピーライティングの力では可能ですが、あくまで「相手が主体的に選んだもの」でないと、後々揉めたりするリスクを内包したまま成約することになります。

ビジネス系の商材の場合、「提供する価値=稼げる金額」だけではないのは確かですが、月に2、3万円のお小遣いを稼ぎたい人に、50〜100万円以上するコンサルティングを提供するのは、ちょっと無理がありますよね。

だから、この場合は広告集客している場合はターゲティングの見直しを図ったり、ステップメール等で目標金額を示してあげて、読者が自ら目標を上方修正したくなるように促したり、あるいは低単価のお試し商品を作ってあげたりする方が「リストを育てる」という観点では、よっぽど好ましいかなと。

「目標を上方修正」というのは、例えば、世の一般的な大学生は「何となく大手企業に入って年収1000万円稼げればいいな」と就活に臨んだりしますが、彼らのほとんどは、その大手企業に入っても年収1000万円には届かず、せいぜい800万円くらい程度に落ち着くということや、その収入で叶えられるライフスタイルが自分の想定よりも結構下のものになってしまうことを知りません。
実際に知ることになるのは、30歳を超えてきて、リアルに周りと自分を比較し始めた時でしょう。

また昔の僕もそうだったんですけど、20代前半の読者からの返信を見ていると「お金はそんなにいりません。月20万円で十分です」というコメントが結構多いです。

それは「最近の若者の価値観がそうだから」という見方もできますが、シンプルに20代前半のうちはお金に対するリアリティが欠如しているのと、周りとの経済格差も少なくお金を使う人生のビッグイベントを経験していないので、お金がなくてもそれなりに幸せに生きられる年代だからというのも大きいでしょう。

30歳を超えてきて、周りも結婚して家を建て始めて…となってきて、食事をする店も個人差が強くなってきて「あれ、こんなはずじゃなかった」と感じるようになります。

…だから若者は最初から稼ぐ力をつけるべきなんです。みたいなことが自己啓発本に書いてあったら、その本の読者たちの多くは自ずと自ら目標を上方修正したがりますよね。「適当に大手に行けば何とかなると思ってたけど、間違ってた」とか「月に20万円でいいと言ってた自分はやっぱり違うのかもしれない」と。
ちょっと話が逸れましたが、どうしても情報発信をしていると、自分のターゲットの範囲外の人も集まってきますが、その人たちを1on1のセッションで変えようとしても結構大変です。

そもそも人は無理やり変えられることを好んでいませんからね。(自己啓発本とかで気持ちよく変わっていくことは大好きですが)

なので、自分の属性とはあまりにも違うなーというレスポンスがきたときに、例えば2時間も3時間もその人への個別対応に悩むくらいだったら、その時間を使ってターゲットの見直しをしたり、リードナーチャリング用の動画をとったり、ステップメールで目標の言及を増やしたり、ダウンセル商材をサクッと作っちゃう方が労働対効果、時間対効果も大きくなりますよ。

全ての読者に対して同じ労力を使うのって一見すると誠実なようですが、全ての読者を自分の思っている方に動かせるほど人間って万能じゃないですから。